長野県りんご、さくらんぼ農家訪問研修(2011.06.18-19 農商工連携人材育成研修)

今回は、農商工連携人材育成研修の実地研修で長野県に行ってきました。 2日間の研修で2つの農園を訪問しました。

  • 1日目:長野県北安曇郡松川村のりんご農園
  • 2日目:長野県下伊那郡松川町のさくらんぼ農園(まるいち大場農園)

1日目:長野県北安曇郡松川村のりんご農園

バスに乗って中央自動車道で諏訪湖方面へ向かいます。途中、双葉SAにて休憩しました。 image かの軍師、山本勘助になることもできます。 image お昼ご飯は安曇野スイス村でいただきました。 image おみやげコーナーには、現在NHK朝の連ドラ「おひさま」のヒロイン井上真央が。今回の訪問地安曇野が舞台となっているそうで、いろいろなお土産に「おひさま」を見かけました。このドラマ、戦前、戦中、戦後を明るく生きた女性の物語ということですが、かなり面白いとの評判がつい先日会社でも聞かれたところだったので、ちょっと見てみようかなと思ってしまいます。 image 南アルプスの天然水と共に南アルプスのスイス村を、と思ったけどレジのおばちゃんに確認すると「残念、ここは北アルプスよ」とのこと、ちょっと間違い。 image 松川村に到着しました。りんご農園の中を歩いて、社長にお話を伺います。 image 現在はまだ実が数cmの大きさで、摘果(てっか)作業が行われる時期ということでした。 image 農園にはいろいろな大きさの木があります。下の写真は昔からある普通樹で、大きいものです。 image こちらはまだ育成中の樹(ふじ)、まともな果実が収穫できるようになるのは4,5年目からとのこと。 image りんごの場合、樹が大きくならないような接ぎ木による矮化(わいか)という手法を用いる場合もあるそうです。こちらでは、まるばという種類を下、ふじを上にして接ぎ木を行っています。ふじの実がなるけれども、根はまるばなのであまり樹は大きくならないのだそうです。不思議なのは、ふじの実から取れる種から育てた樹からはまるばの実がなるとのこと。 image 受粉のため、花がたくさん付くよう専用の樹を植え、ミツバチの力を借りて受粉を行うそうです。image

下の写真では、りんごの木の枝を紐で引っぱり下を向かせる(上方向へ伸ばせさせない)ことでりんごに一定のストレスを与えています。これが1つのテクニック。

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この日はパートの近所のお母さんたちが摘果(栄養を集中させるため、不要な実を摘み取る作業)作業を行っていました。

こちらのH農園さんでは、おいしいりんごを作るためにいろいろな工夫をされており、それが農園固有の味、品質を生み出しているんだと感じました。松川村としても独自の地域ブランドを確立するためにインフラの整備を長い間継続的に行ってこられたそうです。

また枝の剪定作業についてはご主人のみが行う特別な作業ということで、農園のりんごの品質を決定づける大きな要因になるのだそうです。気になったのはこの選定作業自体が1つの暗黙知になっているということ。もしご主人が病気で入院される、などの事態が発生した場合には近所の農園仲間が手伝ってくれるとのことですが、手伝ってくれる農園ごとの剪定ポリシーが反映されることになるのではないでしょうか(というのは考え過ぎで、それほど影響はないのかもしれませんが)。

とにかく、見学の最後にいただいた絞りたてのりんごジュースには感動しました。甘さとすっきり感の程よいバランスが研修の疲れを和らげてくれました。

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2日目:長野県下伊那郡松川町のさくらんぼ農園(まるいち大場農園)

北安曇郡松川村のH農園を離れ、次は下伊那郡松川町のりんごとさくらんぼの農園「まるいち大場農園」へお邪魔しました。

まるいち大場農園
http://www7b.biglobe.ne.jp/~maru1ooba/index.html
長野県下伊那郡松川町大島2487

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この日は、今シーズン(狩り)のスタート直前ということで、お忙しい中農園の二代目のご夫婦と三台目若夫婦が地域の農園の成り立ち、状況等講義してくださり、その後りんご農園とさくらんぼ狩りを体験させていただきました。

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こちらはだるまさんの彫刻。「だるまりんご」という贈答用りんごの生みの親です。

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りんご農園の様子

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さくらんぼ農園のハウス。さくらんぼ狩りのシーズンは6月末から7月上旬。結構短いんだな、という印象です。

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中に入ると樹がずらり。そしてさくらんぼの実がびっしりなっています。樹によって実の付き方も微妙に異なり、種類も佐藤錦、紅秀峰などいくつかの種があるとのこと。おいしいなあと思ったのは佐藤錦でした。

さくらんぼ狩りの料金は30分食べ放題で2,300円。食べる人は250個ほど食べたりするらしいですが、自分は50個ぐらいで満足でした。

パックに入ってスーパーで売っているものとは違うおいしさがありました。体験学習、というと固い感じですがやはり実際にどう実がなっているのかを知って、そのままいただくという体験はプライスレスですね。

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学生の研修、修学旅行などで来園したときは、いろいろ講義もされるとのこと。下の写真はりんごの摘果を行う際にレクチャーする手作り感満載の教材です。真ん中の実を残して周りの実を摘み取る、というのが非常に良く理解できる教材だと思います。

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帰り道はちょうど高速道路無料の期間最終日での交通渋滞に巻き込まれてしまいました。一般道で神奈川を目指す途中で立ち寄ったガソリンスタンドのそばに「名勝猿橋」という看板が。

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全く知りませんでしたが、日本三奇橋の1つであるとのこと。トイレ休憩の合間に駆け足でプチ観光です。

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橋の下に屋根がたくさん付いていて、確かに奇妙な見た目です。

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2011.5.14 農商工連携人材育成研修(ゆず加工、鶏卵・プリン工場見学)

昨年から農業関係のシステム開発に関わる機会をいただき、農業分野への興味が一段と増している今日この頃ですが、GW前に偶然「農商工連携人材育成研修」というものを見つけ、予定をなんとか調整し滑り込みで参加させていただくことが出来ることになりました。

環境分野とも何かと関係があり興味深い分野だけに、今回の研修は5月〜10月と長丁場ですがいろいろと勉強できそうで楽しみにしているんです。

この日(5/14)は1回目の実地研修で、神奈川県の津久井湖方面にゆずの加工場と養鶏場を訪問し、生産者の方からお話を伺いました。

(どこまで見学内容を公開してよいかが判断着かないため、公式HPなどから確認できる程度の内容を記載します)

有限会社ふじの

最初に訪問したのは有限会社ふじのというゆずの加工を主に行っている会社で、社長さんからいろいろお話をしていただきました。

現在は市町村合併により相模原市ですが、旧藤野町という地域はゆずが特産品であり、これを村おこしの軸にしようという動きのなかで設立された会社です。

imageゆずの加工工場前。今は製造の時期ではないため、中も見学させていただきました。

主力商品は、ゆず果汁入りぽん酢の「ゆずの尊(みこと)」。その他、ゆずシャーベットやゆずワイン、ゆず蜜、ゆずジャムなども作ってらっしゃいます。

imageいただいた「ゆずシャーベット」、ゆずの香りがしてすっきりしたおいしさでした。

悩んでおられるのは、生産者の高齢化によってなかなかゆずの木の手入れができず生産体制の確保に苦労されているとのこと。村おこしとして成功させるために、地元小学生の工場見学実施や苗木の植樹活動などを地道に行っていくことで生産量も今後増加することを見込んでいるとのこと。

ゆずの栽培を無農薬で行い、無添加、合成保存料などは使わない、といったところにこだわりを持って生産・製造されているのに好感が持てました。

(ちなみに宣伝ですが、自分の地元愛媛県にも「ゆずの里」というめっちゃうまいゆずジュースがあるんやけんね)

 

imageお昼は津久井湖公園にて。ボート合宿が行われていたようです。

有限会社カトウファーム

午後に訪れたのは「有限会社カトウファーム」さん。こだわりの卵とプリンが自慢の養鶏場を経営されている会社です。

imageカトウファーム入り口、右に見えるのは直売所です。

社長さん含め、家族経営をしておられ、皆さんが養鶏、たまご、プリンそれぞれのこだわりを教えてくださいました。

鶏の育成には空気・水・飼料の3つが大切だということで、水は地下100m以上のところから汲み上げた水を使い、天然酵母の飼料、遺伝子組み換え無し(non-GM)の飼料など、こだわりを持った経営を行っていらっしゃいます。

imageこちらが「天然酵母を主体とした有効微生物飼料」です。すごくおいしそうな匂いがしました。納豆やヨーグルト的な腸にやさしい飼料なんだそうです。

image鶏舎のあるエリア(鶏舎内へはもちろん見学禁止です)への見学には、鳥インフル対策として石灰を踏んでの立ち入りとなります。非常に厳重な管理を行っていらっしゃるのが感じられました。

image餌を混ぜる機械。non-GM(非遺伝子組み換え)のトウモロコシと大豆、そして天然酵母を主体とした
有効微生物飼料などを組み合わせて、非常に良質な餌を作ってらっしゃいます。

image左が餌の準備小屋、右が鶏舎。人手を介さず自動で給餌するシステムです。

image鶏舎(左側)では新鮮な空気を循環させるため扇風機が常時回っています。3.11の震災後の計画停電でも水と空気をしっかりと循環させるために自家発電での対応を行っていたとのこと。しっかり管理されています。

image鶏舎から出る鶏糞とすぐ近くで行っているという有機野菜栽培(右奥)。
鶏糞の掃除について、昔は人手でやっていたため隅に取り残しが出てしまっていたけれども、現在は機械化したことできれいに取り除けるようになったとのことです。
鶏糞は発酵させて堆肥とし、すぐ隣の畑で使用するという有効活用をされています。

imageたまごを見せてもらいました。左は2級品、右は1級品。見た目と触り心地(ザラザラ感)が違います、ただし中身に違いはないとのこと。

imageこちらが直売所です

imageなめらか、カスタード、ジャージー、いろいろあって悩みます

imageこだわりの酵母資料、水などについての説明もあります

image温泉たまごもあるそうです

image直売所内。たまご、プリン、採れたて野菜が売られています。クール宅急便での地方発送も可能とのこと。

 

image「なめらか」いただきました。素材の味を活かしたお菓子ってこういうのを指すんだろうなぁ〜

こだわりのプリンも商品化するにあたって様々な苦労(レシピ、衛生管理などなど)があって現在の形ができたことを社長の娘さん自らが話してくださいました。

「東京都地域特産品認定食品」(東京都の名産品)に

  • かとうさんのプリンジャージー
  • かとうさんのプリンなめらか
  • かとうさんのプリンカスタード

が認定されているとのこと。

家族経営でほのぼのとした雰囲気を感じつつ、よりおいしい、より安全なたまご、プリンを作ることに日々真剣に考えているのが伺えました。最後に若社長(息子さん?)が話されたのは「100%有機たまご」を作ってみたい、とのこと。これは現実問題として相当ハードルが高い(全ての飼料が有機栽培されたものである必要がある)とのことですが、どんなに高くなってもいいものは買う人がいる気がするのは個人的な意見。たまごは輸出できるのでしょうか、もし出来るなら中国は非常に魅力的なマーケットに映る今日この頃です。

今度は個人的に直売所にプリン食べに行きます(^^)

農家の定義と分類

農業に関する基礎情報として、農家の定義と分類を調べました。
(基本はWikipediaの「農家」より)

まず、農家の定義は以下になります。

農家の定義

  • 耕地面積が10a(1000m²)以上の個人世帯
  • 耕地面積が10a未満の時は、年間農産物販売金額が15万円以上の個人世帯

農家のうち、販売農家と自給的農家に分けて表現する場合があり、以下のように区分しています。

販売農家と自給的農家

  • 販売農家:耕地面積が30a以上又は年間の農産物販売金額が50万円以上
  • 自給的農家:それ以外

自分が子供の頃学校で習った農家の分類は、「専業農家、兼業農家」でした。しかし現在(1995年以降)では、「主業農家、準主業農家、副業的農家」という分類に変わっています。

専業農家と兼業農家(第一種、第二種)

  • 専業農家
    • 全収入を農業収入のみに頼っており、世帯員中に農業以外に就業している兼業従事者のいない農家。
  • 第一種兼業農家
    • 農業以外の仕事(会社勤めなど)で収入を得ている農家のうち、農業での収入が、全収入の50%以上の農家で、世帯員中に1人以上の兼業従事者がいる農家。
  • 第二種兼業農家
    • 農業以外の仕事(会社勤めなど)で収入を得ている農家のうち、農業での収入が、全収入の50%以下の農家で、世帯員中に1人以上の兼業従事者がいる農家。

 

主業農家、準主業農家、副業的農家

  • 主業農家
    • 農業収入>農外収入 かつ65歳未満の農業従事60日以上の者がいる農家。
  • 準主業農家
    • 農業収入<農外収入 かつ65歳未満の農業従事60日以上の者がいる農家。
  • 副業的農家
    • 65歳未満の農業従事60日以上の者がいない農家。

1995年以降に「専業、兼業」から「主業、副業」という分類の仕方に変わった理由としては、従来の「専業、兼業」の場合、世帯員に一人でも兼業従業者(農業以外の有所得者)がいれば,「兼業農家」に分類されてしまうなどの問題があり、現在の「主業、副業」といった分類に変わったのだそうです。(詳しくは、http://www.tokyo-shoseki.co.jp/e-mail/qanda/q-js-shakai/q01-03.htm より)

農林水産省の食料・農業・農村白書にも分類の図がありました

農家等分類関係(1990年世界農林業センサス以降の定義)